最近話題になっている「年収の壁」。
この記事では年収の壁についての基礎知識や年収ごとの違い、年収の壁の対策などを分かりやすく解説します。
【基礎知識】税制上の壁・社会保険上の壁とは?
年収の壁には、税制上の壁と社会保険上の壁の2種類があります。
税制上の壁
税制上の壁とは、所得税や住民税が発生する年収のラインのことです。
具体的には100万円、103万円、150万円、201万円の4つの基準があります。
103万円を超えると所得税が課税されることになります。
社会保障上の壁
社会保障上の壁とは、106万円と130万円の2つのラインがあります。
これを超えると社会保険料の負担が発生します。
2024年10月からは適用範囲が拡大される予定です。
これにより、従業員数が51名以上の企業では、年収が106万円を超えると社会保険への加入が義務付けられます。
年収103万円の壁
103万円の壁とは、年収が103万円を超えると所得税が発生するボーダーラインのことです。
給与所得控除55万円と基礎控除48万円を合わせた金額が103万円となります。
年収が103万円を超えると、超えた額に対して所得税が課税されます。
例えば、年収が110万円の場合、110万円から103万円を引いた7万円に対して所得税がかかります。
103万円の壁を超えると、親の所得税の控除に影響を与える可能性があります。
特に学生のアルバイトの場合、親の扶養控除に影響が出ることがあるため要注意です。
年収106万円の壁
106万円の壁とは、パートやアルバイトなどの非正規の従業員が家族の扶養を外れ、社会保険に加入する必要が生じるボーダーラインのことです。
106万円の壁を超えると、労働者本人が社会保険料を負担する必要があり、給与の手取りが減少する可能性があります。
具体的には、年収106万円で年間約15万円の保険料が発生します。
年収130万円の壁
130万円の壁とは、親や配偶者の社会保険(健康保険等)の扶養から外れ、自分で社会保険料を支払う必要が生じる年収のラインのことです。
年収が130万円を超えると、所得税や住民税も納付する必要があります。
130万円の壁を超えると、社会保険料の支払いが発生し、手取り収入が減少します。
具体的には、年収130万円の場合、社会保険料は年間約19万円です。
年収201万円の壁
201万円の壁とは、配偶者特別控除が受けられなくなる年収のラインのことです。
配偶者特別控除とは、配偶者の所得が48万円を超えるため配偶者控除が適用されない場合に、配偶者の所得金額に応じて受けられる所得控除です。
年収が201万6,000円を超えると配偶者特別控除が完全にゼロになります。
201万円の壁を超えると、配偶者特別控除が受けられなくなり、納税者の所得税や住民税が増加する可能性があります。
これにより、世帯全体の手取り収入に影響が出ることがあります。
年収の壁の対策
収入調整
年収の壁を意識して収入を調整することで、手取りの減少尾を防ぎましょう。
労働時間の調整
収入調整と同様、労働時間を調整して年収の壁を超えないようにすることが大切です。
控除の活用
さまざまな控除を活用することで、税金の負担を軽減できます。
制度の理解
年収の壁に関する制度への理解を深めることで、適切な対策を取りましょう。
まとめ
年収の壁にはさまざまな種類があり、分かりにくいと感じるかもしれません。
しかし、年収の壁に関する制度への理解を深め、対策をすることで、影響を最小限に抑えることができます。